はじめに
2026年10月31日に新潟市で開催された技術カンファレンス「KomeKaigi 2026」に、撮影スタッフ(ボランティア)として参加してきました!
会場は新潟駅南口すぐの NINNO3(プラーカ3 B1F)。
今年のテーマは「お結びカンファレンス」で、AIの話から地域の話、チームづくりの話まで、朝から夕方までたくさんのセッションがありました。
カンファレンスの撮影スタッフをするのは今回が初めて。
この記事では、
- 撮影スタッフとして参加してみてどうだったか
- 撮影しながら聞いたセッションの内容(メモできた範囲で)
- Web制作をしている立場から感じたこと
をレポートします。
KomeKaigiとは?
KomeKaigiは、公式サイトでは「新潟の美味しいお米・お酒を楽しみ、技術を学ぶカンファレンス」と紹介されています。
去年の2025年に続いて、今年が2回目の開催です。
- 日時:2026年10月31日(土)
- 会場:NINNO3(プラーカ3 B1F/新潟駅南口から徒歩1分)
- 内容:招待講演・基調講演、3つのトラックに分かれたセッション、スポンサーセッション、LT(5分の短い発表)、ハンズオン
セッションの一覧は、公式のタイムテーブル(fortee)で見られます。
撮影スタッフとして参加してみて
今回の撮影は、新潟で活動している方からお声がけいただいて引き受けました。
公式サイトのスタッフ欄にも名前(YuyaCoding)を載せていただいています。
撮影に使ったのは次の2つです。
- スマホ … 運営の方にすぐ送って、当日のSNS投稿などに使ってもらう用
- 一眼レフ(PENTAX K-70+18-135mmのレンズ) … 広報用。あとで編集できるRAWデータでお渡ししました
撮影では、こんなことに気をつけました。
- 登壇者・会場の様子・参加者が、それぞれ分かる写真を撮る
- 会場が暗めなので、普段より少し明るめに撮る
- 撮影禁止のスライドは撮らない
撮影しながら話を聞くのは、思っていた以上に大変でした。
シャッターのタイミングを考えていると、話の大事なところを聞き逃してしまうんです。
メモが少ないのはそのためです。
一方で、スタッフとして参加すると運営の方や登壇者の方と自然に話すきっかけが生まれます。
今回の撮影がきっかけで、11月に開催されるPHPカンファレンス新潟でも撮影スタッフをさせていただくことになりました。
聞いたセッション
ここからは、撮影しながら聞いたセッションのうち、メモが取れたものを紹介します。
① 招待講演「視界はAIに、視座は人に」(中川幸哉さん)
最初は、新潟市在住のソフトウェアエンジニア・中川幸哉さんの招待講演でした。
話は「AIが言うことを聞かない」という、誰もが経験したことのありそうな悩みから始まりました。
その原因は、AIと人の「視野」が合っていないからかもしれない、というお話です。
- 視野 … 何が見えているか
- 視座 … どの立場から考えるか
AIは、見えていない範囲(視野の外)のことを聞かれると、もっともらしい間違い(ハルシネーション)を返しやすくなります。
また、文脈に関係のない話をすると、AIの調子がおかしくなりやすいそうです。
そこで紹介されていたのが、ゴールから全体の計画を立てて、GitHubのIssueに工程表やフェーズを作ってから作業させるという進め方でした。
うまく指示を出せれば、何時間もかかる作業を同時にいくつも並べて進めることもできるようになる、という話もありました。
一方で、人がやったほうがいいこととして挙げられていたのが、
- どこにも書かれていないことを拾ってくる
- 1つの成果を、複数人で分担して作る
の2つです。AI同士で分担させることもできるけれど、まだ得意ではない印象だそうです。
そして、最後は「まず目線を合わせましょう」という言葉で締めくくられていました。
私もいま、Claude Codeと一緒に個人開発を進めていて、作業をフェーズに分けて記録しながら進めています。
「AIが変なことを言うときは、見えている範囲がずれているのかも」という見方は、すぐにでも使えそうです。
② デザイナーとして体験を磨き込むためのエンジニアリング(あぼねこさん)
トラックAのセッションです。(セッションの詳細)
デザイナーの方が、AIの力を借りて実装まで自分で関わるようになったというお話でした。
- 実装にも関わることで、細かな動きまで含めてデザインできるようになった
- 細かな修正は、自分で直せるようになった
- デザイナーとしての視点や視野が広がった
ただし、これはAIだけでなく、エンジニアの支えがあってこそできる進め方だということも強調されていました。
環境づくりやレビューなど、判断が必要なところはエンジニアの役割です。
だからこそ、エンジニアの負担を減らすために、自分の出すプルリクエスト(変更の提案)の質を上げて、中身を自分でしっかり理解することを大切にしているそうです。
印象に残ったのは、デザイナーとエンジニアの関係が「今までリレーだったのが、二人三脚になった」という言葉です。
私はふだん、デザインからコーディングまで1人でやることが多いので、立場は少し違います。
それでも「AIでできる範囲が広がっても、自分で理解して出す」という姿勢は、とても共感しました。
③ お客様の「やりたい」の先を見通す合意形成プロセス(小関有香さん)
同じくトラックAのセッションです。(セッションの詳細)
この日、Web制作の仕事にいちばん近いと感じたのがこのセッションでした。
「AIチャットボットを作る」という例を使って、お客様との合意の取り方が話されていました。
- お客様も、ゴールを知らないことがある
- だからこそ「チャットボットで何をしたいのか」を、お客様としっかり打ち合わせする
- お客様は、自分で調べてきた内容をもとに話されることがある
- 認識がずれたままだと、「チャットボットの回答の精度」のような大事なところで食い違いが出る
そして、お客様に正論をぶつけて怖がらせないようにすることも大切、という話もありました。
ホームページの制作でも、「こういうサイトにしたい」というご希望の奥に、本当に解決したいことがある場面は多いと思います。
ヒアリングのときに、ご希望をそのまま受け取るだけでなく「その先に何をしたいのか」まで一緒に考える。
当たり前のようで難しいことを、あらためて意識するきっかけになりました。
④ 基調講演「AIではなく、人と話そう。」(藤原敬弘さん)
午後の基調講演は、FERM株式会社の藤原敬弘さん。
小規模な事業者向けの業務システムを作りながら、佐渡島でクラフトビールの醸造所も立ち上げている方です。
テーマは、AIがコードを書く時代のエンジニアの価値。
作るのが安くなったらどうなるのか、では誰と作るのか、というお話でした。
まず印象的だったのが、「コードは安く、データ設計は高い」という言葉です。
- 高いもの … あとから変えるのが難しいもの。データベースの設計、業務の区切り方、状態の移り変わりなど
- 安いもの … 画面やコンポーネント
AIを使えば、それらしいものは必ずできる。
でも、それだけでは運用に耐えない。
100年建つ家を作るには、基礎が分かっている大工が必要、というたとえが分かりやすかったです。
話はそこから、地方の現場の話へ。
地方では、まだまだデジタル化が進んでいないところがあります。
都会との違いは困りごとの質だそうです。
- 都会の困りごとは、言葉にして検索できる
- 地方の困りごとは、まだ言葉になっていない。だからAIにも聞けない
たとえば酒屋さんでは、今もFAXでのやり取りが主流です。
発注書にミスがあっても書類は直さず、人と人が話し合って決めていたそうで、当事者もそのやり方をうまく言葉にできていなかったといいます。
こうしたネットに載らない事情は、人と話すことでしか掘り出せない。
そして、実績や信頼がなければ売れない。
最後は「信頼で選び、信頼で選ばれる」という言葉と、AIでソフト作りのハードルが下がった今だからこそ、周りの人のためのものづくりをしていく、という話で締めくくられました。
私はふだん、小さなお店や会社のホームページ制作をしています。
「困りごとはまだ言葉になっていない」という話は、ホームページづくりのご相談にもそのまま当てはまると感じました。
この日いちばん心に残ったセッションです。
⑤ スポンサーセッション「メガクラウド時代における、もう一つの選択肢」(株式会社メンバーズ デブオプスリードカンパニー)
国産のクラウドサービス「さくらのクラウド」を、AWSのような大きなクラウドと組み合わせて使う(マルチクラウド)というお話でした。
- すべてAWSだった構成のうち、費用がかさみやすいCDNやデータベースを、さくらのクラウドに移してコストを下げた
- アプリなどはAWSに残し、AWSのいいところは活かしたまま
- 費用を下げても、品質は下がっていない
- さくらのAI Engineも検証していて、課題はあるが、上手に使えば業務改善につながる
参加してみて感じたこと
初めての撮影スタッフで、メモはあまり取れませんでした。
それでも、名刺交換をしたり、次のイベントのスタッフに誘っていただいたりと、次につながる出会いがたくさんあった1日でした。
今回はAWSやPHPなど、インフラやバックエンドの話が多い印象でした。
フロントエンドやWeb制作をしている方とのつながりは、あまり作れなかったかもしれません。
次のイベントでは、新潟でWeb制作をしている方ともお話ししてみたいです。
そして、AIの話がたくさん出たカンファレンスで、招待講演も基調講演も「人」の話に行き着いていたのが印象的でした。
視野を合わせる、目線を合わせる、人と話して信頼を作る。
AIで作れるものが増えるほど、そこが大事になっていくのだと感じました。
まとめ
- KomeKaigi 2026は、新潟のお米・お酒と技術を楽しむカンファレンス。今年のテーマは「お結びカンファレンス」
- 撮影スタッフとして参加すると、運営の方や登壇者の方と話すきっかけが生まれる。次のイベントの撮影にもつながった
- 中川さんの招待講演:AIがうまく動かないときは視野がずれているのかも。まず目線を合わせる
- 小関さんのセッション:お客様もゴールを知らないことがある。「やりたい」の先を一緒に考える
- 藤原さんの基調講演:コードは安く、データ設計は高い。地方の困りごとはまだ言葉になっていないから、人と話すことでしか掘り出せない
運営のみなさん、登壇者のみなさん、参加者のみなさん、ありがとうございました!
私はふだん製造業で働きながら、WordPressを中心にお店や会社のホームページの制作をしています。
「お店のホームページを作りたいけれど、何から相談すればいいか分からない」という段階でも大丈夫です。
制作実績はポートフォリオに、ご依頼はココナラからも受け付けています。

