はじめに

「お店が落ち着いたら、通販もやってみたいんですよね」

先日、開業準備中のカフェの方とやり取りをしていたときに、こんなお話を聞きました。お店に来られない遠方の方にも届けられたらいいな、という気持ちだそうです。

そこで気になったのが、「小さなお店が通販を始めるなら、結局どのサービスがいいの?」ということ。BASE、STORES、Shopify、WordPress(WooCommerce)……名前は聞いたことがあっても、費用も手間もけっこう違うんですよね。

この記事では、この4つを費用(初期費用・月額・手数料)と運用の手間の両面から比較してみました。月の売上ごとに実際いくらかかるのか、シミュレーションもしています。

先にお伝えしておくと、私自身はまだ通販サイトを作った経験はありません。この記事は、各サービスの公式サイトの情報をもとに調べて比較した内容です。料金は2026年10月6日時点のもので、変わることがあります。申し込む前に、必ず公式サイトで最新の情報を確認してください。

4つのサービスをざっくり言うと

  • BASE(ベイス):月額0円で始められる。とにかく気軽に始めたい人向け
  • STORES(ストアーズ):無料プランと月額プランがあり、売上に合わせて切り替えられる
  • Shopify(ショッピファイ):世界中で使われている本格派。月額はかかるけれど、機能とデザインの自由度が高い
  • WordPress+WooCommerce(ウーコマース):WordPressのサイトに通販機能を追加する方法。自由度はいちばん高いけれど、作るのも管理するのも自分

BASE・STORES・Shopifyは「通販サイトを作るためのサービス」で、申し込めばすぐにお店を開けます。WooCommerceだけは少し毛色が違って、自分で用意したWordPressのサイトに通販機能を組み込む方法です。

料金の比較表

まずは料金です。代表的なプランを並べてみました。

サービス・プラン初期費用月額カード決済の手数料
BASE スタンダード0円0円3.6%+40円
+サービス利用料3%
BASE グロース0円16,580円(年払い)
19,980円(月払い)
2.9%
STORES フリー0円0円5.5%〜
STORES スタンダード0円3,300円(年契約)
3,960円(月契約)
3.6%〜
Shopify Basic0円3,650円(年払い)
4,850円(月払い)
3.55%
(Shopifyペイメント利用時)
WordPress+WooCommerceプラグインは無料サーバー代(目安:月1,000円前後〜)
+ドメイン代
3.6%
(Stripeを使う場合)

補足です。

  • PayPayやAmazon Payなど、カード以外の決済は手数料が高くなるサービスが多いです(BASE・STORESはカードより1%高い設定でした)
  • STORESは売上を振り込むときに振込手数料275円がかかります。ほかのサービスも、入金のタイミングや金額によって手数料がかかる場合があります
  • Shopifyは、最初の3日間が無料、その後3か月間は月額150円で使えるキャンペーンが公式サイトに掲載されていました
  • WooCommerceは、デザインのテーマや追加機能に有料のものを使うと、その分の費用がかかります
  • 金額は各公式サイトの表示どおりに載せています。税込・税抜の扱いは公式サイトで確認してください

月の売上別に、いくらかかるか計算してみた

表だけだとイメージしづらいので、実際の金額で比べてみます。

条件は、1件あたりの購入金額が3,000円、支払いはすべてクレジットカード。振込手数料は含めていません。WooCommerceはサーバー代を月1,000円として計算しています。

プラン月の売上5万円
(約17件)
月の売上20万円
(約67件)
BASE スタンダード3,980円15,880円
BASE グロース(年払い)18,030円22,380円
STORES フリー2,750円11,000円
STORES スタンダード(年契約)5,100円10,500円
Shopify Basic(年払い)5,425円10,750円
WordPress+WooCommerce約2,800円約8,200円

計算してみて分かったのは、売上が小さいうちは月額0円のプランが有利で、売上が増えるほど月額プランのほうが安くなるということです。

たとえばSTORESは、月の売上が5万円ならフリープランのほうが2,000円以上安いのに、20万円になるとスタンダードプランのほうが安くなります。BASEのスタンダードプランは「決済手数料+サービス利用料」の合計が大きいので、売上が伸びるほど差が開いていきます。

今回の条件で計算すると、切り替えの目安はこんな感じでした。

  • BASEスタンダード → 月額プラン:月の売上8万円前後
  • STORESフリー → STORESスタンダード:月の売上17万円前後

WooCommerceは数字だけ見るといちばん安いですが、この表には「サイトを作る手間(外注するなら制作費)」と「保守の手間」が入っていません。そこを次の運用面で見ていきます。

運用面の比較

費用と同じくらい大事なのが、毎日の運用の手間です。

項目BASESTORESShopifyWooCommerce
始めるまでの手軽さ◎ 申し込めばすぐ◎ 申し込めばすぐ○ 設定項目が多め△ サイトづくりから必要
デザインの自由度○ テンプレートから選ぶ○ テンプレートから選ぶ◎ テーマとアプリで幅広く◎ ほぼ自由
システムの更新・保守不要(サービス側が対応)不要(サービス側が対応)不要(サービス側が対応)自分で必要(WordPress本体・プラグインの更新、バックアップ)
お店のホームページとの関係ホームページからリンクでつなぐ形ホームページからリンクでつなぐ形ホームページごとShopifyで作ることもできる今あるWordPressサイトの中に通販を組み込める
向いているお店まずは気軽に試したい売上に合わせてプランを変えたい本格的に通販を育てたいすでにWordPressのサイトがある

BASE・STORES・Shopifyは、サーバーやシステムの面倒をサービス側が見てくれます。お店の方は、商品の登録や注文の対応に集中できるのが大きなメリットです。

WooCommerceは自由度が高い反面、WordPress本体やプラグインの更新、セキュリティ対策、バックアップまで自分の仕事になります。お店の営業をしながらここまで見るのは、正直けっこう大変だと思います。

焼き菓子・食品を通販するときに確認が必要なこと

ここは、サービス選びとは別にとても大事なところです。食品、特に手づくりのお菓子をネットで販売する場合は、雑貨などを売るときよりも確認することが多いです。

この章は、私が調べた範囲での「確認が必要そうなポイント」をまとめたものです。地域やお店の状況によって変わるので、必ず管轄の保健所や専門家に確認してください。

営業許可

お店で食べてもらうための許可と、つくったお菓子を持ち帰りや配送で販売するための許可は、内容が異なる場合があります。今の許可のままで通販ができるのか、追加で必要な許可があるのかは、通販を始める前に保健所へ確認しておくと安心です。

食品表示

袋や箱に入れて販売するお菓子には、名称・原材料・アレルギー物質・賞味期限・保存方法などの表示が求められます。通販の場合は、商品ページにもアレルギー情報などを載せておくと、お客さんが安心して選べます。

特定商取引法にもとづく表記

ネット通販では、販売者の名前・住所・連絡先・送料・返品のルールなどを表記する必要があります。BASE・STORES・Shopifyには入力する場所が用意されています。WooCommerceの場合は、自分でページを作ることになります。

梱包と送料

焼き菓子は割れやすく、夏場は温度にも気をつける必要があります。クール便を使えば送料も上がるので、送料と梱包資材まで含めて利益が残るかは、始める前に計算しておきたいところです。サービスの手数料より、送料と資材のほうが負担が大きくなることもあります。

結局、どれを選べばいい?

調べてみた結果、私ならこう考えます。

  • まずは小さく試したい → BASE か STORESのフリープラン。月額0円なので、売れない月があっても固定費がかかりません
  • 売上が安定してきた → 上の切り替えの目安を参考に、STORESスタンダードやShopify Basicなど月額プランを検討
  • ホームページと通販を1つにまとめたい・デザインにこだわりたい → Shopify か WordPress+WooCommerce
  • すでにWordPressでお店のホームページがある → WooCommerceも候補。ただし更新やセキュリティの管理は自分の仕事になります

それから、どのサービスを選ぶにしても大事だと感じたのが、「お店のホームページやInstagramから、通販ページにちゃんとたどり着けるか」です。通販サイトを作っても、見つけてもらえなければ売れません。サービス選びと同じくらい、入口づくりも意識しておくといいと思います。

まとめ

  • BASE・STORESは月額0円で始められる。まずは小さく試すのに向いている
  • 売上が増えると、月額プランのほうが手数料の合計は安くなる(今回の条件では、BASEスタンダードからは月8万円前後、STORESフリーからは月17万円前後が目安)
  • Shopify・WooCommerceは自由度が高い分、設定や管理の手間がかかる
  • 焼き菓子などの食品は、営業許可・食品表示・特商法の表記・送料を事前に確認する
  • 料金は変わるので、申し込む前に必ず公式サイトで最新情報を確認する

私はふだん、製造業で働きながら、WordPressを中心にお店や会社のホームページ制作をしています。「お店のホームページを作りたい」「ホームページと通販ページをどうつなげればいいか、一緒に考えてほしい」といったご相談があれば、お気軽にどうぞ。制作事例はポートフォリオに、ご依頼はココナラからも受け付けています。

参考リンク(料金の確認元)