はじめに

Laravelをインストールしたものの、「次に何を設定すればいいんだろう?」と悩んだ経験はありませんか?
開発をスムーズに進めるためには、プロジェクト作成直後に行っておくべき初期設定がいくつかあります。

本記事では、Laravel 12(PHP 8.2以上)環境を前提に、Laravel Sailを使った開発環境構築後に行う初期設定について、初心者にもわかりやすく解説しています。
毎回の開発で私自身が実践している、最低限やっておきたい設定を厳選して紹介します。

これからLaravelを本格的に学びたい方や、チーム開発を視野に入れている方にも役立つ内容です。
一緒に快適なLaravel開発のスタートを切りましょう!

この記事で扱う前提環境:
  • Laravel:12.x
  • PHP:8.2以上
  • Composer:2.x
  • Docker:インストール済み(Laravel Sail使用)

Laravelとは

Laravel(ララベル)は、PHPで作られたWebアプリケーション開発用のフレームワークです。
2011年にTaylor Otwell(テイラー・オットウェル)氏によって公開され、現在も世界中の開発者に利用されています。

Laravelの大きな特徴は、「MVCモデル」に基づいた設計と、開発を効率化する豊富な機能です。認証、ルーティング、バリデーション、データベース操作など、よく使われる機能があらかじめ用意されており、少ないコードで質の高いWebアプリケーションを作ることができます。

主にWebアプリケーション開発に使われますが、ECサイトや管理システム、予約サイトなどさまざまな用途に対応可能です。

Laravel公式ドキュメント

英語版

日本語版

Dockerとは?

Dockerとは開発に必要な環境をOS(Windows OSやmacOSなど)レベルでまとめてくれるサービスのことです。
環境構築を簡単にしてくれる便利機能だと思っていただければ大丈夫です!

Laravelの環境構築方法

Laravelの開発環境を構築する方法はいくつかありますが、Laravel Sailを用いた環境構築が公式ドキュメントでもおすすめされています。
Laravel Sailを簡単に説明すると、Laravelの開発環境をDockerで簡単に構築できる機能となります。

Laravelプロジェクト作成

デスクトップにLaravelフォルダを作成し、その中にさらにexample-appフォルダを作成してから、example-appフォルダ内にLaravelのファイル一式を格納していきます。

まず、ターミナルを起動して、下記3つのコマンドを実行するとデスクトップにLaravelフォルダが作成され、ターミナルでLaravelフォルダが選択状態になります。

$ cd ~/Desktop
$ mkdir Laravel
$ cd Laravel

次に下記コマンドを入力して下さい。
これでLaravelファイル一式のダウンロードが始まります。

$ curl -s "https://laravel.build/example-app" | bash

Docker is not running.などのエラーでダウンロードが始まらない場合は、Dockerのアプリケーションが開いているか確認しましょう。

Laravelファイル一式のダウンロードが完了し、デスクトップ上のLaravelフォルダ内にexample-appというフォルダのLaravelプロジェクトが作成されたら、下記コマンドを入力してLaravel Sailを起動します。

$ cd example-app
$ ./vendor/bin/sail up -d

無事に実行が完了できたら、http://localhost/を通して、アプリケーションへアクセスできます。

Macをシャットダウンする時や開発を中断する時は、下記コマンドを実行してください。
実行するとシャットダウンと同じで開発環境をオフにすることができます。

$ ./vendor/bin/sail stop

VSCodeでexample-appディレクトリを開く

VSCodeでexample-appディレクトリを開くためには、ターミナルで下記コマンドを実行してください。

$ cd ~/Laravel/example-app
$ code . 

phpMyAdminのインストール

次に、データベースを操作するためのphpMyAdminをインストールしていきましょう!

docker-compose.ymlファイルを編集していきます。

ちなみに、このdocker-compose.ymlファイルはLaravel Sailで開発環境を構築した場合に作成されるファイルで、このファイルにDockerの設定が記述されています。

それでは、docker-compose.ymlファイルを下記のように編集してください。

# For more information: https://laravel.com/docs/sail
version: '3'
services:
    # --- ここから追加 ---
    phpmyadmin:
        image: phpmyadmin/phpmyadmin
        links:
            - mysql:mysql
        ports:
            - 8888:80
        environment:
            PMA_HOST: mysql
        networks:
            - sail
    # --- ここまで追加 ---
    laravel.test:
    # --- 以下省略 ---

追加部分のコードをservices:の下に記述してください。
また、インデントをservices:より1つ下げてください。
docker-compose.ymlでは、インデントがしっかりしていないとエラーになるので気を付けてください。

コードの追加が終わったら、ターミナルで下記コマンドをexample-appディレクトリ上で実行してください。

$ ./vendor/bin/sail up -d

実行が完了したら、http://localhost:8888/へアクセスできたら、phpMyAdminのインストールは完了です。

Laravelの初期設定

まずは、アプリケーション名を任意の名前に変更しておきましょう。
Laravelのアプリケーション名はexample-app/.envファイルで設定します。
Laravelをインストールした直後の名前はLaravelになっています。
.envファイルを下記のように変更してください。

APP_NAME="アプリケーション名"
APP_ENV=local
# --- 以下省略 ---

ちなみに、日本語にする場合や半角スペースを入れたい場合は”(ダブルクオーテーション)で囲みます。

次に、時間設定と言語設定を日本語に変更します。
これらの設定はexample-app/config/app.phpで設定されているので、app.phpを下記の通り変更してください。

// 'timezone' => 'UTC'から下記に変更(72行目付近)
'timezone' => 'Asia/Tokyo',

// 'locale' => 'en'から下記に変更(85行目付近)
'locale' => 'ja',

// 'faker_locale' => 'en_US'から下記に変更(111行目付近)
'faker_locale' => 'ja_JP',

最後にターミナルで下記2つのコマンドをexample-appディレクトリ上で実行してください。
これらのコマンドを実行することで、先ほど変更した内容がアプリケーションへ確実に反映されるようになります。
.envファイルやapp.phpなどを変更した場合は、下記コマンドを実行してください。

$ ./vendor/bin/sail php artisan cache:clear
$ ./vendor/bin/sail php artisan config:clear

以上で初期設定は終わり、Laravelで開発を始める準備ができました。

さいごに

Laravelは機能が豊富で柔軟性も高いため、初めて触れると少し戸惑う部分もあるかもしれません。
ですが、今回紹介した初期設定を押さえておくだけでも、開発の土台が整い、後の作業がぐっと楽になります。

今後も学習記事を発信していく予定なので、ぜひブックマークやSNSでフォローしてもらえると嬉しいです!
一緒にLaravel開発を楽しんでいきましょう!